電子ビーム積層造形による先端材料開発|千葉研究室|東北大学金属材料研究所加工プロセス工学研究部門

電子ビーム積層造形による先端材料開発―3D積層造形技術とは「作れないものを作る技術」―

電子ビーム積層造形とは

電子ビーム積層造形(EBM)は電子ビームにより金属粉末を選択的に溶融・凝固させた層を積層させることで3次元構造物を作製します。3D CADデータから作成したスライスデータを基に電子ビームを走査するので、金型を必要とせずにメッシュ加工等の複雑な形状にも対応可能です。医療産業、航空宇宙産業、自動車産業など幅広い産業分野や応用分野において新しいネットシェイプ加工法として期待されています。

「先進材料」は金属材料に限って言えば硬くて脆いものが多く、製品として「形」を作ることが困難な場合が少なくありません。3D積層造形は3Dモデルデータと作りたい金属の粉末があれば、どのような複雑な形状のデザインでも鋳型や金型なしで、簡単に短時間に作ることができます。 当研究室では金属材料を対象として、3D積層造形の中でも電子ビーム積層造形(EBM)に関する研究を行っています。3D積層造形技術が持っている特徴を熟知し、或いは進化させながら日本の既存のものづくり技術に上手に組み込み、付加価値の高い新たなものづくり技術として確立したいと考えています。

電子ビーム積層造形の利点

電子ビーム積層造形プロセス

千葉研究室では2010年12月に国内の大学に先駆けて最新鋭のEBM装置(Arcam A2X)を導入し、 新材料の開発や溶融凝固プロセスの基礎研究等に取り組んでいます。

モールドレス素形材製造技術

合金製造、材質制御、形状付与からなる従来の製造プロセスと比較して、EBMを利用することでコストやリードタイムの大幅な短縮が期待できます。